TAIJIさんといえば、日本が世界に誇るビジュアル系バンド「X」のベーシストとして活躍された方です。
Xの全盛期に活躍され、当時のXを懐かしむファンにとっては大切な存在です。
そんなTAIJIさんですが、Xがまだバリバリに活動していた1992年に突如脱退が発表され、ファンを混乱させました。
今日はXにとってのTAIJIさんの存在と、謎が残る脱退劇について書いてみたいと思います。
XにとってTAIJI(沢田泰司)は最高のベーシスト。不自然だった脱退劇
TAIJIさんは3人兄弟姉妹の次男として生まれました。
2歳の時に親が経営する工場の機械に手を突っ込み、右手中指の第一関節から上を切断してまうとハンデを背負いました。
小学2年の頃からアコギを覚え、高校生の頃に洋楽のハードロックにハマりエレキギターを本格的にプレイするようになりました。
芸名 | TAIJI(読み:たいじ) |
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本名 | 沢田 泰司(さわだたいじ) |
担当 | ベース |
愛称 | たいちゃん |
生年月日 | 1966年7月12日 |
死去日 | 2011年7月17日(45歳) |
血液型 | A型(ずっとB型だと思っていた) |
身長 | 173cm |
出身地 | 千葉県市川市 |
性格 | 感情的 |
好きなもの | アイスクリーム |
所属事務所 | 元YOUプロダクション |
家族構成 | 兄、妹。 |
影響を受けたアーティスト | ビートルズ、クイーン、グラムロック全体。 |
音楽で飯を食う覚悟で高校を1年で退学し、数々のバンドを渡り歩き界隈で有名になりました。
渋谷のホテルで泊まり込みのバイトをしながら地道に活動をしていた頃、YOSHIKIさんから熱心な誘いを受けてXに加入しました。
1985年にXに加入するも、1年以内に脱退し、1986年に再加入した流れとなっています。
インディーズ時代から破天荒な性格がファンに受け、YOSHIKIさんと並んでワイルドな存在感を発揮していました。
1989年にデビューした後もXにとってエッジの効いたアクセントとして輝き、ファンからのも信頼されていました。
それだけに1992年の突然の脱退はファンにとっては寝耳に水でした。
1992年にTAIJIがクビになる。前年の1991年にはスタジオミュージシャンの契約になっていた
1989年にメジャーデビューし、順調に国民的ロックバンドに這い上がったX。
しかし、1992年1月31日に出演したミュージックステーションで突如、脱退を発表しました。
突然のオリジナルメンバーであるTAIJIさんの脱退に、ファンは困惑しました。
実は脱退が発表される1年前の1991年には、正式メンバーだったTAIJIさんをスタジオミュージシャンに降格させる動きがあり、Xをよく知る関係者からすれば「やっとの脱退」だったのです。
TAIJIは脱退ではなくYOSHIKIからのクビ。理由は大切な約束を破った為
TAIJIさんが脱退した後、実は脱退ではなく実質のクビだったことが明らかになっています。(表的な理由は音楽性の違い)
その理由についてはTAIJIさんがスタジオミュージシャンの契約に切り替わったことで、メンバー内で収入格差が生まれたことが発端ではないか?と言われています。
TAIJIさんは自身の書籍で、
「自分がバンド内での収入格差に文句を言ったのとYOSHIKIのドラムプレイに対して平気でダメ出しをする様になり、彼との間に軋轢が生じたからではないか」
と綴っており、自身のギャランディーに対して文句を言っていたことを認めています。
また、YOSHIKIさんのプレイに対してもダメ出しをしていたことが、YOSHIKIさんの逆鱗に触れたのでは?とも書かれていました。
しかし、YOSHIKIさんはTAIJIさんを脱退した理由については、”TAIJIはXに必要な存在だった”と認めた上で、別の理由を挙げています。
TAIJIはXに必要なベーシストだった。クビの理由は素行面での約束を破った為
TAIJIさん本人が金銭面やプレイの面で自分がクビになった認識してる反面、彼をクビにしたYOSHIKIさんは別の理由を挙げています。
YOSHIKIさんはTAIJIさんのベースはXにとって必要な存在だったとし、本当はクビにはしたくなかったそうです。
YOSHIKIさんがTAIJIさんにクビを宣告した際には、取り組み合いの喧嘩にまでなっていたということで、お互いに曲げれない物をぶつけ合った結果だったことが分かります。
YOSHIKIさんはTAIJIさんをクビにした理由について「簡単な約束を破った」と語っています。
実は以前から素行不良のメンバーがいる噂があり、アメリカでレコーディングしてる最中もグレて日本に帰ってしまったり、音楽活動に支障をきたすなどし、そのメンバーこそがTAIJIさんだったのでは?と言われています。
おそらく、素行面で”レコーディングを投げ出さない””仕事中”などのプロのミュージシャンとして当たり前な約束が2人の間で結ばれ、TAIJIさんがその約束を破りクビが宣告された流れだと思われます。
薬物使用がクビの原因になった説も。TAIJIは中学生の頃からシンナー遊び
一部では”薬物を使用しない”などの約束もあったとの説があります。
日本ではダメだけどアメリカでは黙認していたなどの噂も出ており、”日本では使うな”の約束があったことも考えられます。
ただ、YOSHIKIさんの語りからは、あくまで簡単で単調な約束だったことが想像できるので、依存者にとって薬物を断つのは簡単なことではないので、薬物ではない可能性もあります。
TAIJIさんは中学時代から素行が荒れ、シンナー遊びをしていたと語っているので、当時に薬物にハマっていた可能性は極めて高いですが・・・。
クビ後のTAIJI。バンドを転々としホームレス。YOSHIKIに歯の治療費と再結成
1992年にXをクビになったTAIJIさんですが、その後はいろんなバンドを転々とします。
メタル系、グラム系、ハードロック系など様々なジャンルで才能を発揮し、脱退後も優秀なベーシストとして活躍されました。
しかし、1996年に生活のアテになっていたバンド「D.T.R」が活動休止になると経済的に困窮。
私生活では妻と離婚し、TAIJIさんは2年間のホームレス生活を強いられることとなります。
ホームレス生活では倉庫や公園で寝泊まりし、喧嘩で角材で前歯を折られるなど散々な経験をしています。
1998年にXのhideさんが亡くなり葬儀に出席すると、YOSHIKIさんと再会。
TAIJIさんがホームレスになり喧嘩で前歯を折られたことに同情し、YOSHIKIさんから200万の治療費を渡されたそうです。
クビから18年後の2010年に再びXのステージに立つ
1998年にhideさんの死去をきっかけにYOSHIKIさんと再会したTAIJIさん。
その後も自身で音楽を活動を続けながら、アクセサリーブランドを立ち上げるなどコツコツと精進していました。
2010年にYOSHIKIさんがXの再結成を呼びかけると、18年前にクビにしたTAIJIさんを招集しました。
あくまで正規メンバーという立ち位置ではないものの、ファンはTAIJIさんありきのXが見れることに歓喜しました。
TAIJIさんが参戦したXの大規模なライブは無事に成功し、その後もYOSHIKIさんは「またTAIJIに来てもらうかも」と前向きなコメントをしていました。
「もしかしたらTAIJIさんの素行次第では再加入もあり得るか?」と思った矢先、2011年7月11日に死去されました。
Xのライブに参加した1年後にTAIJIが死去。現在では正規メンバーにクレジット
2010年に18年ぶりにXのライブに復帰したTAIJIさん。
もし、YOSHIKIさんらとの関係が良く、素行にも問題がなければXの正規メンバーへの復帰も期待できました。
そんな矢先、ライブに参加した1年後の2011年7月11日に、TAIJIさんは自殺という形で死去。
あまりにも急な死に、Xメンバーもファンも事態を整理できな様子でした。
TAIJIさんの死を巡っては、YOSHIKIさんがメディアで自分を責めるほどに落ち込んだと話しています。
死去後は、hideさん同様にエックスの活動にクレジットされるようになりました。
亡くなった後ではありますが、現在のTAIJIさんはXの正規メンバーの扱いとなっています。
まとめ
1992年にミュージックステーションでTAIJIさんのX脱退が報告され、当初の理由は「音楽性の違い」であった。
その後に実は脱退ではなく、YOSHIKIさんからクビ宣告された背景が明らかになった。
TAIJIはXにとって必要な存在であったが、バンドで決めたルールをTAIJIが破ったためにYOSHIKIからクビ宣告された。
クビ宣告される1年前の1991年にはスタジオミュージシャン扱いに契約が変更されており、クビになる予兆があった。
クビの理由に関しては詳細は語られておらず、ファンの間では薬物関係であるとの説が温厚である。
クビ後もYOSHIKIはTAIJIのことを気にかけ、再会した際には前歯がないことを気の毒に思い、200万を渡した。
2010年のXの復活ライブにはTAIJIも招集され、正規メンバー復活が期待されたが1年後の2011年に死去した。
死去後はXの活動のクレジットにTAIJIの名前が出ており、現在では正規メンバーの扱いで花を向けられている。