元祖ビジュアル系四天王・MALICE MIZERのボーカルだったGACKTさん。
ソロに転身した後の人気は凄まじく、GACKTさん個人の世界観は想像を超えて素晴らしかったです。
そんなGACKTさんも年を追うごとに"ヴィジュアル系らしさ"が消えていきました。
ナチュラルなV系として魅力を振る舞い、俳優業やバラエディでも活躍され知名度・権威を上げましたが、V系ファンで彼を応援する方は多く去った印象です。
GACKTさんのV系らしさが消えた時期を追ってみると、シルバーアクセサリーの着用を辞めた後がポイントになっていることに気づきます。
結局、V系の流れからGACKTさんを追ってきた人からみると、V系アーティストとしての全盛期はシルバーアクセサリーを着用していた時期ではないか?ということです。
今日はシルバーアクセサリーを愛用していた時代のGACKTさんについて書いてみたいと思います。
当時に愛用していたブランドや、シルバーが遠ざかるきっかけになった「TAUJAN事件」についても触れてみます。
ソロ初期のトレードマークであったDeaf BreedのブレスレットとTAUJANのチョーカー
GACKTさんのシルバーアクセサリーの歴史を振り返ると、特に印象的なのがDeaf Breedのトゲトゲブレスレットと、TAUJANの蛇のようなチョーカーです。
まず、Deaf Breed(デブブリード)のブレスレットですが、これは2001年頃から頻繁に着用していました。
Deaf Breedは2000年に立ち上げられたブランドで、GACKTさんは初期から愛用していたということです。
デザイナーで職人の高橋基寛氏によって作り上げられたミステリアスな世界観が魅力のドメスティックブランドとして注目を集めました。
2000年代初期はGACKTさんのイメージが強かったですが、すぐにブランド単独でもシルバーファンに認められました。
このトゲトゲのブレスレットについて、GACKTさんは車の運転中に足に刺さることがあって危険だと仰っていました。
2003年の映画「ムーンチャイルド」の撮影では、亡くなるシーンを演じる山本太郎さんにトゲが刺さり、痛がる表情がリアルになったエピソードがあります。
GACKTさんの影響で同じブレスレットを着用していたKAT-TUNの上田竜也さん。(当時は髪型も真似していました)
上田竜也さんはライブ中にデフブリードを着用し、振り向き様に亀梨和也さんの首を刺し流血させてしまったことがあります。
KAT-TUNファンの間では”亀梨流血事件”と呼ばれています。
危険アクセサリーでありますがファンからの人気は高く、オニキスと合わせて着用するのは定番でした。(一目でGACKTファンだと分かります)
GACKTさん本人が着用しなくなった後も需要が残り、レプリカ品も多く作られてます。
GACKTさんが愛用していたモデルは廃盤になっていますが、現在でもフリマアプリなどで人気商品となっています。
ちなみにGACKTさんはトゲのピアスも頻繁に愛用していました。
現在では垂れ下がるようなデザインのピアスは着用しないので貴重ですね。
長く愛用したタウジャンのチョーカーはGACKTファンの憧れだった
GACKTさんの代名詞となっていたのが「タウジャン」というブランドのチョーカーネックレスです。
2003年頃から着用を始め、シルバーの着用を抑え始めた2010年代前半まで愛用されてました。
2GACKTさんが着用していたチョーカーは中古車ほどの値段がする品物で、ファンたちにとっては憧れのアイテムでした。
しかし、実はGACKTさんが着用していたチョーカーは、販売されている物よりもサイズが大きく、実質、GACKTさんと全く同じチョーカーを手に入れるのは不可能でした。
タウジャンに関しては、チョーカー以外にもリングやブレスレットも頻繁に着用しており、GACKTさん的にもお気に入りのブランドでした。
愛用ブランドがコラボに派生。「GIGOR」「KARSHR」「deaf breed」「TAUJAN」
2000年代半ばから、GACKTさんのファンクラブ「DEARS」と、愛用していたシルバーブランドで大規模なコラボレーションが始まりました。
「TAUJAN」とコラボした「DARTS of TAUJAN」、「deaf breed」とコラボした「DARTS of deaf breed」、「KARSHR」とコラボした「DARTS of KARSHR」、「GIGOR」とコラボした「DARTS of GIGOR」。
コラボが始まってからは、GACKTさんが着用するシルバーはDARTS ofシリーズがメインとなりました。
GACKTさんが着用→ファンも欲しいという心理が上手く作用し、どのブランドも人気でした。
コラボ以外には「ディッキーアンドグランドマスター」「H2O」「フリースタイル」を愛用
DARTS ofシリーズが始まって以来、GACKTさんが着用するブランドはDARTS ofシリーズが中心となりました。
DARTS ofシリーズ以前で愛用していたブランドは、「ディッキーアンドグランドマスター」「H2O」「フリースタイル」などです。
海外ブランドよりも国産のアクセサリーブランドが中心でした。
H2Oのクロスリングはシンプルなデザインで着けやすいという事で、ファンの間で人気でした。
2011年頃に起きたタウジャン事件以降は、クロムハーツなどを着けていた時期もありましたが、やがてシルバーアクセサリー自体を着用しなくなりました。
現在のGACKTはジュエリーや高級腕時計を着用
シルバーアクセサリーがトレードマークだったGACKTさんですが、2011年にタウジャン事件が起きると、着用するシルバーはシンプルなデザインとなりました。
やがて、自身が開発に関わるジュエリーを中心に着用するようになり、シルバーの着用自体が無くなりました。
シルバーの着用を辞めてからはビジュアルの印象がガラッと変わり、高級腕時計を付けるなど、イメージは以前よりもグッと落ち着きました。
今は今の良さがありますが、V系ファンからするとシルバー時代のGACKTさんの魅力が味わえないのは残念なことであります。
当時の事務所が起こした「TAUJAN事件」とは?GACKTのシルバー離れの原因
2011年頃に起きた「TAUJAN事件」。
GACKTさんのファンクラブ運営「DEARS」が「TAUJAN(タウジャン)」とコラボして作ったブランド「Darts of TAUJAN」に纏わる事件です。
「Darts of TAUJAN」というブランドは、当時のDEARS運営が複数コラボしていた「Dart of〜」シリーズの中で、最も人気の高かったブランド。
「Darts of TAUJAN」はGACKTさんの着用率が高く、特にトレードマークだったチョーカーはファンにとって憧れでした。
値段はクロムハーツと対等なほど高額でも予約が殺到し、常に納品待ち状態という人気ぶりでした。
シルバー専用雑誌で度々紹介されると、芸術性の高さからGACKTファン以外のシルバー好きからも注目を集めました。
2010年に「Darts of TAUJAN」の偽物を製造販売し1000万以上の利益を出した業者が捕まる事件があったほどに、同ブランドは市場に影響力を持っていました。
そんな「Darts of TAUJAN」の販売を巡って、DEARS運営側が偽物を流していたというのが「タウジャン事件」です。
事件以降にGACKTさんは長くトレードマークだったドメスティック系のシルバーアクセサリーの使用を辞め、印象がガラッと変わりました。
代金先払い受注生産だった「Darts of TAUJAN」。GACKT運営側がデザイナーに内緒で別ルートで仕入れ
「Darts of TAUJAN」は代金先払い受注生産での販売で、DEARS運営側で予約&支払い→タウジャンからの納品待つという流れでした。
しかし、タウジャン側に支払いがなかなかされない、修理に「Darts of TAUJAN」の精密な偽物を持ち込まれることが増えるなど、「もしかして?」とタウジャン側が疑心暗鬼になったのです。
購入者とやり取りをしてる内に、”DEARS側が怪しいことをしてるのではないか?”と、当時のタウジャンのデザイナーがブログで告発したのです。
そのブログは1日で削除され、後日謝罪の言葉と共に”再度調査します”と投稿しました。
●お詫び●
混乱さすような報告をし、
申し訳ありませんでした。
正しい内容に対して、再度調査をしておりますので
ご迷惑お掛けしている方々、もうしばらくお待ち下さい。
引用:ボス日記(※現在削除)
DEARS運営側はすぐにタウジャンとの取引終了をアナウンスするも、事情の説明はされませんでした。
当時、”料金を払っているのに手元に商品が届いてない””DEARS運営の対応が悪い”との報告がネット上に上がっていたりと、後味の悪い形で「Darts of TAUJAN」の歴史は幕を閉じました。(※商品が届かない方への保証があったかは不明)
現在でも当時のタウジャン事件について綴る投稿がネットに残っています。
Darts of TAUJAN事件とは…
GACKT氏の公式ファンクラブであるDEARS限定でシルバーブランドTAUJANとのコラボモデルを販売(代金先払い受注生産)したのだけれど、公式ファンクラブ自体がTAUJANに黙って偽物を作って納品してた事件。
ちなみに告発ブログ記事は一日でなくなった。— yäsü (@yasuFX) 2017年12月27日 引用:X
アクセサリーブランドから告発のコメントがあがった途端それを削除させて、HPではDARTSというそのブランドとの取引終了を告知。
何事もなかったかのように今では全て削除してしまっています。
ファンに謝りの一言もなく尻尾のトカゲきりをしただけ。都合の悪いことは全部そこの責任者に押し付けてる。 引用:5chDartsとはガク○が立ちあけたシルバーアクセのブランド
要約すると、納品しても全然支払いしてくれないのでどうしようかと思ってたが、 DartsがTAUJANに無断で商品にTAUJANの名前の入った商品を造って販売していたことを知り手を切ることにした。 引用:5ch
当時は個々でブログをやっているファンが多かったので、あちらこちらで事件についての想いを語る投稿がたくさんありました。(現在はほとんど削除されてます)
GACKTはタウジャン事件に関与してない?数年後にDEARS運営者が逮捕されギャラ未払いも発覚
当時はファンの間で大騒動になったタウジャン事件。
話の流れだけをパッと聞くと、あたかもGACKTさんが首謀して起こした事件のように聞こえます。
気になるのは、GACKTさんがどれだけDEARS運営に関与していたのか?という点です。
個人的には、GACKTさんはタウジャン事件に関与していないと思っています。
↓タウジャン事件後に起きたことを時系列で追ってみると分かりやすいと思います。
2011年 | タウジャン事件発覚 |
2012年 | GACKTがDEARSから移籍 |
2013年 | DEARS運営にガサ入れ |
2014年 | DEARS運営者逮捕&同年に有罪判決 |
タウジャン事件が起きたのは2011年頃ですが、事件より以前からDEARS運営への不満の声は聞こえていました。
・クレームでもないのにお問い合わせが不親切
・グッズ関連のトラブルが多い
・リリース情報の更新が遅い
・ファンクラブツアーの価格高騰
・大事なイベントに運営の人間が来ない
↑もっと色々とありましたが、記憶に強く残っている範囲でこれだけあります。
GACKTさんはタウジャン事件から1年後の2012年6月にマネージメントをDEARSから移しており、タウジャン事件がDEARSを離れた決定打になったのでは?との可能性も見えます。
2013年になると、元DEARSの運営者らが税務署からガサ入れが入ったとの報道が出ました。(GACKTさんの自宅まで捜査されたとか)
ガサから1年後の2014年4月には元DEARSの運営者ら3人が脱税で逮捕されました。
ミュージシャンGACKT(40)のファンクラブ運営経費を水増しして約5800万円を脱税したとして、東京地検特捜部は9日、法人税法違反などの疑いで、昨年までファンクラブを運営していた会社「DEARS」取締役長谷川裕容疑者(42)ら3人を逮捕した。ほか逮捕したのは、同社代表取締役玉置公祐容疑者(54)、知人の会社役員池内健一郎容疑者(41)。引用:日刊スポーツ
DEARSの運営者が逮捕された際、その後に所属していた事務所からは「経営(GACKTは)には関わっていなかった。事情を全く承知していない」とコメント。
逮捕された1人の玉置氏は逮捕前に取材で、
「GACKTは何も知らないし、関係ない。自分も天地神明に誓って悪いことはしていない。長谷川の方はどうかわからないけど…」
と答えており、当時すでにDEARSを離れていたGACKTさんの関与を否定し、自身も関係ないと答えていました。(玉置氏は逮捕されましたが)
事実、DEARSの役員にはGACKTさんの名前は無く、全盛期だった当時のスケジュールからも運営にまで関与する暇もなかったと考えられます。
さらには、運営者が夜のお店で毎月2000万以上の豪遊していたこと、GACKTさんへのギャラが3億以上も未払いだったとの報道もされています。
元DEARS運営の逮捕後、GACKTさんはブロマガで在籍当時から運営のやり方に不満があったことを告白。
これらの流れからも、タウジャン事件を首謀して行ったのは、当時の運営の誰かであることは明かで、GACKTさんが関与していた可能性は0で、むしろGACKTさんも被害者だったケースも見えます。
創立当初に関わった元ダンサーはGACKTに「ファンの財布は1つだ」と一喝されていた
以前からGACKTさんは週刊誌から悪意のある記事を多く出され、その影響から「GACKTも怪しい」と疑心暗鬼な声もありました。
しかし、2003年頃の「Darts of」シリーズの創立に関わった方の話を聞いてると、GACKTさんがファンを騙してまで稼ごうという性質ではなかったことが分かります。
2022年のYouTubeに当時の「Darts of」シリーズの創立に関わったYOSHさんが当時の状況を話されていました。
「Darts of」シリーズは出始めから好調で、すぐに億を超える売り上げを記録したそうです。
みんなが数億の売り上げが出て調子良くなり、「もっと、もっと(次を出そう)」となっていた際に、GACKTさんから、
「ファンの財布は1つだ」「商売商売に走るな」
と一喝されたというエピソードを話されていました。
これは2003年頃の話で、以降に2006年に独立したファンクラブ「DEARS」(逮捕された方々が運営)が創立され、「Darts of」シリーズの経営管理は変わりました。
タウジャン事件のまとめ
タウジャン事件とは、2011年頃に起きたGACKTのファンクラブ「 DEARS」とシルバーアクセサリーブランド「TAUJAN」のコラボブランド「Darts of TAUJAN」に纏わる事件。
事件の内容は、 DEARS側で受注・支払いを済ませ、タウジャンに発注し納品するシステムであったが、 DEARS側がタウジャンに無断で偽物を予約者に納品。
タウジャンのデザイナーがブログで告発するも、告発記事は1日で削除され翌日には謝罪記事をアップ。
DEARS側はすぐにタウジャンとの取引を終了を知らせるも、事情の説明は何もなく、支払いを済ませるも商品が納品されていない方の報告があった。
事件後にGACKTは国内のドメスティック系シルバーの使用を辞め、ヴィジュアルの印象が変わってしまった。
事件の1年後にGACKTはDEARSから離れる。もともとDEARSの運営が不評だったことから、タウジャン事件が決定打になったのでは?との憶測もできる。
GACKTが去った後のDEARSは、2013年に税務署からガサ、2014年に脱税容疑で運営人ら3人が逮捕。
元運営人の逮捕後、毎月2000万を飲み代に使ったり、GACKTへの巨額のギャラ未払いも報じられる。
GACKTはDEARSの運営には全く関与しておらず、従って所属末期のタウジャン事件への関与もなかったと考えられる。